【保育スタッフ対象研修会】
5.コープこうべ 一時預かり・一時保育充実のための学習会
【日程】
1)10月 30日 造形遊び(工作・視覚的遊び)
2)11月 13日 子どもの発達と遊び
3)11月 17日 食物アレルギー
4) 1月 14日 食物アレルギー
5) 1月 20日 特別な支援が必要な子どもとの関わり方
【目的】
・保育専用ではない環境の中で、低年齢、あるいは年齢に巾がある子どもが楽しめる造形遊びについて学び、子どもとの関わり方について考える。
・子どもの身体的、心の発達を理解し、子どもの発達にあった社会性をそだてられるような遊びについて学び、子どもとの関わり方について考える。
・①食物アレルギーの基本を学習する、②子育て支援者が、おやつ選びや子どもの健康管理に活かす。また、③アレルギーをもつ子どもやその親の不安や負担感を理解する。④食関係者がメニュー提案や料理会開催時にいかす。
・①特別な支援が必要な子どもを理解する、②子どもの行動予測と具体的な対応方法について学ぶ。
1)造形遊び(工作・視覚的遊び)
講義「造形遊び」
講師:内本久美先生(近大姫路大学教育学部子ども未来学科通信教育課程非常勤講師)
資料:ひかりのくに『カンタン!スグできる製作あそび』(共著)
○造形遊びで ①意欲 ②知性 ③感覚 ④技術 ⑤コミュニケーション力が育つ。
○絵には発達段階がある。
なぐり描き ⇒ 象徴期(ex.頭足人) ⇒ 図式期(ex.レントゲン描法) ⇒ 写実期
異年齢の子どもの場合、一番下の年齢に合わせておこなう。
○子どもと関わる上でたいせつなこと
・たった一度の経験が子どもの一生の宝物になることがある。一期一会を大切に。
・子どもたちの目線にたち、活動のシミュレーションを。安全に注意。
・身の周りにあるものがちょっとした工夫で、遊びの材料になる。
・お友だちと関わることで、学ぶことがたくさんある。先に先にと進まず、見守ることも大切。
実技「クリアファイルを使った遊び」
クリアファイルに、色紙で、自動車、家、電車、劇の舞台等をつくり、ペープサートで登場人物を制作した。その後、全員の作品を見てまわった。
全体を通じて感じたキーワード
・創造性 ・自由な発想 ・工夫 ・遊びの広がり ・友だちとの関わり
参加者アンケートから
・子どもの自主性や創造性を大切に、教えるのではなく、アドバイスと手助けでいいということがわかった。
・子どもの自由な発想を大切に、子どもの芽をつまないようにしたい。
・一人ひとりの個性を大切に接していこうと思った。
・造形の楽しさ、大切さを学んだ。
・みんなですることによって、アイデアがどんどんでてくることがわかった。
・他の人の作品をみて、アイデアのすばらしさにおどろき、いい勉強になった。
2)子どもの発達と遊び
講義「子育て支援における子どもとの関わり」
講師:川谷和子先生 (臨床心理士、ハーベスト医療福祉専門学校教員・
神戸大学大学院サテライト非常勤)
・子どもの身体的発達、心の発達、社会性の発達を年齢別に抑えた上で、それぞれの発達にあった具体的な遊びについて
・思春期にアイデンティティを確立できるように、10の「自」(自己、自立等)の芽を育てることが大切
・自分から「なんだろう」と思える環境づくりを
・楽しさと責任を両立させるために・・・
チームワークの尊重、自分の限界をしる、安全面のサポート体制を整える、「何をするか」より「なぜするか」を考える、振り返りと自分自身の学びを大切に
全体を通じて報告者の感じたキーワード
・環境による保育 ・10の「自」の芽 ・内容より目的
参加者アンケートから
・年齢にあった具体的な遊びや、ことばがけなどを教えていただいてよかった。
・子どもと関わる上で、専門的な裏づけができたようで自信がついた。意欲がわいてきた。
・経験だけでなく、知識をもって活動していくことが大切だとわかった。
・「何をするか」より「なぜするか」を忘れずにいたい。
・子どもの心をしっかり受け止めて、活動をしたい。
・わらべ歌、手遊びをもっと覚えたい。
3)食物アレルギー
講義「食物アレルギーについて」
講師:神鋼加古川病院小児科医 谷中好子先生
・アレルギー症状を起こす原因、食物アレルギーをおこしやすい食物、年齢との関係、症状、診断方法、治療や対応等について
・加工食品ラベルの原材料専門用語(ex.乳糖・・・牛乳、ガゼイン・・・牛乳、レシチン・・・卵黄 大豆、乳化剤・・・卵黄 大豆 牛脂 等)について
全体を通じて感じたキーワード
・正確に理解 ・周りの人の理解 ・保護者の負担感
参加者アンケートから
・食物アレルギーの理解が深まった(16名、今までとかわらない3名)
・家族にアレルギーの人がいなくても知識として知っておくことは大切だと思った。
・食物アレルギーについて基本的に学ぶことにより、偏見や思い込みがなくなった。
・25年前にわが子がアレルギーで体験した。昔と除去等の対応が変わっていることを知った。
4)食物アレルギー
講義「食物アレルギーについて」
講師:杉原小児科内科医院 小児科医 杉原加寿子先生
・食物アレルギーをおこしやすい食物、年齢との関係、症状、診断方法、治療や対応等について
・アレルギーをもつ子どもや家族にとって周りの理解が得られないことが負担増につながる
全体を通じて報告者の感じたキーワード
・正確に理解 ・周りの人の理解 ・保護者の負担感
参加者アンケートから
・卵とそばアレルギー程度しか知らなかった。活動する際に心にとめておこうと思った。
・アレルギーをもつ子どもさんの親の大変さを知った。
5)特別な支援が必要な子どもとの関わり方
講義「特別な支援が必要な子どもとの関わり方」
講師:名和宏子先生 (NPO法人子育て支援ネットワークあい代表)
・特別な支援は、当事者の自己否定等の二次障害の予防のために行う。
・保育者は自分の価値観を知り、子どもや親と関わることが必要。
・自己肯定感を育むために、できたという成功体験をたくさん持たせることが必要。
・発達障がいの基本的な特徴について・・・できることとできないことがある。
・子どもの様子を親への伝え方について。
全体を通じて報告者の感じたキーワード
・発達障がいの特性の理解 ・保育者の価値観 ・予測と対策 ・周りの理解
参加者の感想から
・言葉賭け等具体的な対応を学ぶことができた。
・障がいの有無に関わらず、一人ひとりとのかかわりを大事にしたいと思った。
・自己肯定感を育めるように、子どもと関わっていきたい。
・保育を専門的に学んでから時間がたつ。今の子育てや保育についてもっと学びたい。
●コープこうべ 自己評価と講評
【第1回・全体のまとめ】
・今回の学習会では、造形遊びから育つものを理解し、参加者自身が製作し、みんなでつくることの楽しさを実感した。その中で、どのようなサポートが必要かを理解することができた。
・楽しみながら身近なものを工夫していろいろなものをつくる創造性豊かな先生の話から、サポーター自らが創造性豊かに、楽しむことが大切だと感じた。
【第2回・全体のまとめ】
・子育て支援者のスキルに差がある中で、保育士資格取得者にとっては、再確認や自信、意欲につながった。また、これまで専門的に学習する機会がなかった方にとっては、発達と遊びについて基本的に学ぶよい機会となった。
・乳幼児の身体的、心の発達だけでなく、思春期までに何を育てたいかという先を見通した子どもとの関わり方について考える良い機会となった。
・「何をするか」より、「なぜするか」。 目的を明確にしたうえで企画づくりを行う必要があることを学ぶことができた。
【第3回・第4回・全体のまとめ】
・講師がデータを示しながらわかりやすく説明してくださったので、食物アレルギーの基本について学習することができた。思い込みや昔とは違うなど、新しく正しい情報を入手する必要があることも理解することができた。
・質疑応答の数の多さから、当事者の不安や悩みを直接感じることができ、子育てや食に関わっている方にとって当事者への理解が深まった。
・食物アレルギーをもつ人が身近にいない方にとって、意識啓発になった。
・支援者が、アレルギーを持つ親の質問から不安や悩みを直接感じることができ、当事者への理解が深まった。
【第5回・全体のまとめ】
・子どもの行動を予測し対策を考えること、具体的な指示を出すこと等、障がいの有無に関わらず子どもと関わる上で大切なことを学ぶことができた。
・子どもを保育する上で、親への理解や、親とのコミュニケーションが欠かせない。家族と一緒に子どもの成長を見守っていきたい。
・子どもの行動を予測し、その対応を考え、安全な保育を心がけていきたい。
【委員の講評】
コープこうべでは、くらしの助け合いからイベントでの保育まで、さまざまなニーズに応える保育を実施されているうえ、保育に適さない場所や講座開催と同室での保育もあるとのこと。また、保育の子どもの年齢が低年齢化しているため、最近は保育にあたるスタッフのスキルは高いものが要求されているとのことでした。
今回の学習会では、子どもの心と身体の発達の学習と、その知識に基づく遊び、子どもとの関わり、具体的な造形遊びの実技を行うなど、現場ですぐに役立つ講座となりました。また、保育中におやつを提供しているため、食物アレルギーの学習を2ヵ所で行ったり、特別な支援が必要な子どもとの関わりを学習したりと、きめ細やかな保育のためにまず知識の習得に向けた学習会が行われました。当初から学習のテーマを①限られたスペースでの保育スキル、②1-2歳の遊びはどんなものか、③保育しにくい子どもへの対応方法、④安全確保、危険の把握の仕方、⑤アレルギー対応、と想定し5回の学習会を企画しました。現在求められている子育て支援に必要な学習が組み立てられており、他生協でも大いに参考になるものと思います。
なお、おもちゃ等の備品が不足している実情が挙げられていましたが、今回、環境整備助成で現場のスタッフが話し合い備品等の購入に至った経緯が、今後につながっていくことを期待しています。(林美栄子)
最近のコメント